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急速改善型ARDS(RIARDS)と持続型ARDSの鑑別におけるアンジオポエチン-2および血球由来バイオマーカー指標の有用性:前向き観察研究

Annals of medicine2025-12-09PubMed
総合: 70.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7

概要

前向きARDSコホート(n=193)で、血漿アンジオポエチン-2低値は急速改善型ARDSの独立予測因子であり、ICU生存の改善と関連した。カットオフ5896 pg/mLはAUC 0.731、特異度88.9%を示し、早期のバイオマーカーによる予後層別化を支持する。

主要発見

  • RIARDSは全体の18.6%で発生し、軽症ARDSでは52.9%と頻度が高く、中等症19.2%、重症10.4%であった。
  • アンジオポエチン-2はRIARDSの独立予測因子で、5896 pg/mLのカットオフでAUC 0.731、特異度88.9%、感度57.3%を示した。
  • Ang-2<5896 pg/mLの患者はRIARDSを発症しやすかった(86.1%対13.9%、p<0.001)。
  • Kaplan–Meier解析でRIARDS群はICU生存が有意に良好であった。

臨床的意義

Ang-2の早期測定は、迅速な改善見込みの判断、離脱評価の計画、医療資源配分の最適化に資し、介入試験での層別化にも有用である。

なぜ重要か

血管透過性関連バイオマーカーであるAng-2により来院時にRIARDSを同定できれば、表現型に基づく精密医療、試験集団の適正化、換気戦略の個別化が可能となり、ARDSの予後不均一性に対処できる。

限界

  • 単施設で外部検証なし;AUCは中等度で感度は高くない
  • 観察研究で因果推論は困難;交絡の可能性が残る

今後の方向性

外部検証、複数バイオマーカーや臨床スコアへの統合、ARDS介入試験での予後層別化への応用が望まれる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断/予後
エビデンスレベル
III - 無作為化のない前向き観察コホート研究
研究デザイン
OTHER