心房細動と安定冠動脈疾患における抗凝固療法と抗血小板療法:無作為化試験のメタ解析
総合: 84.0革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
4本のRCT(計4092例)の統合解析で、OAC単剤はOAC+単剤抗血小板に比べ主要出血を減少(HR0.59)し、虚血イベントや死亡の増加は認めませんでした。急性期を過ぎたAF合併安定CADではOAC単剤を支持します。
主要発見
- 虚血性複合アウトカムはOAC単剤とOAC+SAPTで差なし(HR0.90)。
- 主要出血はOAC単剤で有意に低率(3.3% vs 5.7%;HR0.59)。
- サブグループ間で概ね一貫し、男性で出血減少の程度が大きい可能性が示唆されました。
臨床的意義
急性期を過ぎたAF合併安定CADでは出血最小化のためOAC単剤を優先し、抗血小板薬は冠動脈側の強い適応がある場合に限定します。
なぜ重要か
AF合併安定CADでのOAC単剤支持を無作為化データで裏付け、ガイドラインや減薬実践に影響する重要な結論です。
限界
- 対象RCTは4本で、個別有効性アウトカムの検出力は限定的
- OAC薬剤やSAPT、追跡期間に不均一性がある
今後の方向性
冠動脈病変の複雑性、PCIからの経過、出血リスクで層別した個人データメタ解析や直接比較試験により推奨を精緻化。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化試験を統合した高水準エビデンス
- 研究デザイン
- OTHER