米国における小児・成人先天性心疾患を対象とした左室収縮不全予測のための心電図ベース深層学習:多施設モデル化研究
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
小児から成人までの先天性心疾患集団における20万件超のECG-心エコーペアを用い、AI-ECGはLVEF≤40%の検出で内部AUROC 0.95、外部AUROC 0.96を達成しました。AIで高リスクと判定された症例は、将来の左室機能低下や死亡のリスクが高く、重要所見は胸部誘導のQRS/Tに集約しました。
主要発見
- ECG-心エコーペア学習によりLVEF≤40%検出で内部AUROC 0.95(AUPRC 0.33)、外部AUROC 0.96(AUPRC 0.25)を達成。
- LVEF>40%でもAIで高リスクと判定された症例は将来の左室機能低下(HR 12.1)と死亡リスクが高かった。
- 解釈性解析では胸部誘導のQRS・T波が重要で、病型やペーシング下でも性能は一貫していた。
臨床的意義
AI心電図により心エコー検査の優先度付けや遠隔モニタリングが可能となり、左室収縮不全リスクのある先天性心疾患患者で早期介入を後押しします。
なぜ重要か
多様な先天性心疾患にわたり、左室機能障害のスクリーニング・モニタリングを低コストで拡張可能にし、外部検証と予後予測の両面で堅牢性を示しました。
限界
- 観察研究であり、ランダム化介入による臨床有用性検証は未実施
- 病型構成や施設差による一般化可能性への影響の可能性
今後の方向性
AI心電図主導の診療動線の前向き介入試験、遠隔モニタリングへの統合、デバイスや病型間での校正・最適化を進める。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断/予後
- エビデンスレベル
- II - 大規模多施設の観察コホートで外部検証あり
- 研究デザイン
- OTHER