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骨折リエゾンサービス(FLS)は続発脆弱性骨折および死亡のリスク低下と関連:NoFRACT(ノルウェー骨折対策イニシアチブ)

Osteoporosis international : a journal established as result of cooperation between the European Foundation for Osteoporosis and the National Osteoporosis Foundation of the USA2025-01-14PubMed
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8

概要

レジストリ支援の全国規模ステップドウェッジ・クラスターRCT(対象100,198例)で、FLS導入により最大4.7年の追跡で続発脆弱性骨折(女性HR 0.87、男性HR 0.90)と全死亡(女性HR 0.82、男性HR 0.85)が低下しました。FLSは有効な二次予防戦略であることが示されました。

主要発見

  • FLSは女性で続発脆弱性骨折リスクを13%(HR 0.87、95%CI 0.83–0.92)、男性で10%(HR 0.90、95%CI 0.81–0.99)低下させました。
  • FLSは全死亡を女性で18%(HR 0.82、95%CI 0.79–0.86)、男性で15%(HR 0.85、95%CI 0.81–0.89)低下させました。
  • 2015–2018年に3クラスターで段階的に導入し、国のレジストリを用いた日常診療下の実用的評価を可能にしました。

臨床的意義

50歳以上の低エネルギー骨折患者に対し、骨粗鬆症評価・治療とレジストリ追跡を統合した標準化FLSを導入することで、再骨折と死亡の低減が期待できます。

なぜ重要か

再骨折と死亡を集団レベルで低減するスケーラブルなサービスモデルの実効性を示し、医療システムでのFLS導入を後押しする高品質エビデンスを提供します。

限界

  • レジストリデータに内在する残余交絡や分類誤差の可能性
  • 調整しても時間経過の影響を受けやすいステップドウェッジデザイン

今後の方向性

大規模導入時の費用対効果、実装忠実度、医療格差への影響を評価し、FLS経路内での薬物療法(例:デノスマブとビスホスホネート)の最適化を検討する。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - 実臨床環境での因果推論に優れたクラスターランダム化ステップドウェッジ試験
研究デザイン
OTHER