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臨床的肥満の定義と診断基準

The lancet. Diabetes & endocrinology2025-01-18PubMed
総合: 85.0革新性: 10インパクト: 9厳密性: 7引用可能性: 9

概要

本国際Commissionは、脂肪過剰に起因する臓器・組織機能障害を伴う「臨床的肥満」を慢性疾患として定義し、「前臨床的肥満」と区別しました。BMIのみに依存しない客観的診断基準を提案し、脂肪分布や機能障害の評価を組み込みました。

主要発見

  • 過剰な脂肪により生じる臓器・組織機能障害を伴う慢性的全身性疾患として「臨床的肥満」を定義。
  • 機能障害を伴わない脂肪過剰の「前臨床的肥満」と、機能障害を伴う「臨床的肥満」を区別。
  • 当事者を含む58名の国際・多領域パネルにより、BMIを超えた客観的診断基準を策定。

臨床的意義

BMI閾値に加え、脂肪分布や臓器機能障害(心代謝・腎・肝・運動器など)を評価し、前臨床的肥満と臨床的肥満を区別して治療強度を決定すべきです。

なぜ重要か

BMI中心の診断を根本から見直し、診療ガイドライン、診療報酬・コード化、治療の優先順位に影響し得る枠組みを提示したためです。

限界

  • 合意ベースの枠組みであり、臨床経路での前向き検証と運用化が必要
  • 医療制度間での実装ばらつきや、標準化ツールがない場合の誤分類リスク

今後の方向性

臓器機能指標を統合した臨床ツールやバイオマーカーを開発・検証し、多様な集団で新基準適用時の健康・経済アウトカムを検証する。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー
研究領域
診断
エビデンスレベル
V - 専門家コンセンサス/Commission報告によるエビデンス総合と診断基準の提案
研究デザイン
OTHER