臨床的肥満の定義と診断基準
総合: 85.0革新性: 10インパクト: 9厳密性: 7引用可能性: 9
概要
本国際Commissionは、脂肪過剰に起因する臓器・組織機能障害を伴う「臨床的肥満」を慢性疾患として定義し、「前臨床的肥満」と区別しました。BMIのみに依存しない客観的診断基準を提案し、脂肪分布や機能障害の評価を組み込みました。
主要発見
- 過剰な脂肪により生じる臓器・組織機能障害を伴う慢性的全身性疾患として「臨床的肥満」を定義。
- 機能障害を伴わない脂肪過剰の「前臨床的肥満」と、機能障害を伴う「臨床的肥満」を区別。
- 当事者を含む58名の国際・多領域パネルにより、BMIを超えた客観的診断基準を策定。
臨床的意義
BMI閾値に加え、脂肪分布や臓器機能障害(心代謝・腎・肝・運動器など)を評価し、前臨床的肥満と臨床的肥満を区別して治療強度を決定すべきです。
なぜ重要か
BMI中心の診断を根本から見直し、診療ガイドライン、診療報酬・コード化、治療の優先順位に影響し得る枠組みを提示したためです。
限界
- 合意ベースの枠組みであり、臨床経路での前向き検証と運用化が必要
- 医療制度間での実装ばらつきや、標準化ツールがない場合の誤分類リスク
今後の方向性
臓器機能指標を統合した臨床ツールやバイオマーカーを開発・検証し、多様な集団で新基準適用時の健康・経済アウトカムを検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- V - 専門家コンセンサス/Commission報告によるエビデンス総合と診断基準の提案
- 研究デザイン
- OTHER