「Burnt-Out」から「Burning-Out」へ:進行した代謝機能障害関連脂肪性肝疾患における肝脂肪消失を動的に捉える
総合: 81.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8
概要
16施設の大規模コホート(組織3273例、VCTE 5455例)において、“burnt-out”MASLD(脂肪S1以下・線維化F3以上)は死亡・肝関連事象・代償不全のリスク上昇と関連しました。CAP低下とLSM上昇が持続する“burning-out”表現型でも有害転帰が高率であり、進行例での脂肪消失は予後不良を示唆します。
主要発見
- 組織3273例中435例で“burnt-out”(脂肪S1以下・線維化F3以上)を定義し、死亡(HR 2.14)、肝関連事象(HR 1.77)、代償不全(HR 1.83)の上昇を確認。
- CAP低下・LSM上昇の軌跡から176例の“burning-out”を同定し、有害転帰発生率が高かった。
- burning-out群は、CAP高値・LSM低〜中等度を持続する群より累積有害事象が高率(P<0.0001)。
臨床的意義
進行MASLDで脂肪低値/低下傾向の患者は、肝不全や肝関連事象に対する厳密な監視が必要です。CAP/LSMの動的推移に基づく予後評価が治療優先度決定に有用です。
なぜ重要か
脂肪消失が進む“burning-out”表現型を予後不良と結びつけ、進行MASLDで脂肪の少なさを良性とみなす従来の見方に一石を投じ、リスク層別化に直結するためです。
限界
- 観察研究であり残余交絡の影響は排除できない。
- CAP/LSMのカットオフは装置や環境によるばらつきの影響を受け得る。
今後の方向性
burning-out軌跡の装置横断的前向き検証とリスクモデルへの統合、ならびに抗線維化・代謝治療が軌跡を変え得るかの介入評価が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 多施設大規模コホートで組織学・縦断画像を用いた予後評価。
- 研究デザイン
- OTHER